「指の変形と痛み…へバーデン結節・ブシャール結節とは?整骨院での原因究明と治療計画」
「最近、指の関節が腫れてきて、コブのようなものができた…」「指が痛くて、瓶の蓋を開けるのもつらい…」
もしあなたがこのような症状でお悩みなら、それは「へバーデン結節」や「ブシャール結節」かもしれません。これらは指の変形性関節症の一種で、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
今回は、へバーデン結節・ブシャール結節の原因から、整骨院での具体的な治療法、そして治療計画について詳しく解説します。
へバーデン結節・ブシャール結節とは?その原因
へバーデン結節とブシャール結節は、いずれも指の関節にできるコブ(結節)を伴う変形性関節症です。
- へバーデン結節: 指の第一関節(DIP関節、爪に近い側の関節)にできるものです。
- ブシャール結節: 指の第二関節(PIP関節、手のひらに近い側の関節)にできるものです。
これらの結節ができる主な原因は、まだ完全に解明されていませんが、以下の要因が複合的に関与していると考えられています。
- 加齢: 最も大きな要因と考えられています。年齢を重ねるごとに、関節軟骨の摩耗や変性が進みやすくなります。特に40代以降の女性に多く見られます。
- 遺伝的要因: 家族にへバーデン結節やブシャール結節を発症した方がいる場合、発症しやすい傾向があると言われています。遺伝的な体質が関与している可能性が高いです。
- ホルモンバランスの変化: 特に女性の場合、閉経期前後のエストロゲン(女性ホルモン)の減少が、関節軟骨の代謝に影響を与え、関節の変性を促進すると考えられています。このため、閉経後の女性に多く見られます。
- 指への物理的な負担: 長年の仕事や趣味で指を酷使してきた方、特定の指に繰り返し負担がかかるような動作をしてきた方は、関節に微細な損傷が蓄積し、発症リスクが高まる可能性があります。
- 関節の不安定性: 関節の靭帯が緩いなど、関節自体が不安定な場合、関節に余分なストレスがかかりやすく、変性が進みやすいことがあります。
症状の進行:
初期には、指の関節に痛みや腫れ、熱感が生じます。進行すると、関節の変形が進み、コブのような結節が形成されます。これにより、指を曲げ伸ばししにくくなったり、指に力が入りにくくなったりして、物をつまむ、ボタンをかける、瓶の蓋を開けるといった細かい作業が困難になります。
整骨院での治療法
へバーデン結節やブシャール結節は、変形した関節を元に戻すことはできませんが、整骨院では、痛みや腫れの軽減、関節機能の維持・改善、そして日常生活の質の向上を目指したアプローチを行います。
- 徒手療法:
- 指関節のモビライゼーション・関節矯正: 指の関節は非常にデリケートですが、関節の動きが制限されている場合は、無理のない範囲で関節を動かし、可動域を維持・改善します。
- 手や腕の筋肉の緩和: 指だけでなく、手首や前腕、上腕、肩、首の筋肉の緊張が、指への負担を増やしていることがあります。これらの関連部位の筋肉をマッサージや筋膜リリースで緩め、血行を促進し、指への負担を軽減します。
- 物理療法:
- 電気治療: 低周波や中周波などの電気刺激を用いて、指の痛みや炎症を軽減し、血行を促進します。
- 温熱療法/冷却療法: 炎症が強い急性期には冷却(アイシング)で炎症を抑え、慢性的な痛みや硬さがある場合は温熱療法で血行を促進し、痛みを和らげます。
- テーピング療法・装具療法(スプリントなど):
- テーピング: 指の関節を安定させたり、過度な動きを制限したりすることで、痛みや負担を軽減します。
- 装具(スプリント): 指を安静に保ち、関節への負担を減らすための簡易的な装具を提案することもあります。特に夜間の痛みが強い場合に有効なことがあります。
- 運動療法(セルフケア指導):
- 指のストレッチ・体操: 指の関節の可動域を維持し、指周囲の筋肉を柔軟にするための簡単なストレッチや体操を指導します。痛みがない範囲で、毎日継続することが重要です。
- 指の筋力強化: 症状が落ち着いてきたら、指の安定性を高めるための軽い筋力トレーニングを指導することもあります。
- 生活動作指導: 指への負担を減らすための日常生活での工夫(例:道具の持ち方、瓶の蓋の開け方、指への負担が少ない家事の方法など)を具体的にアドバイスします。
治療計画の例
へバーデン結節・ブシャール結節の治療は、症状の進行度合いや個人の状態によって異なりますが、一般的な治療計画の例をご紹介します。
【急性期(痛みや腫れが強い時期)】
- 目的: 炎症と痛みの抑制、指への負担軽減
- 治療頻度: 週に2~3回
- 内容:
- 冷却療法、電気治療などで炎症と痛みを集中的に抑える。
- 指の安静を保つ指導、必要に応じてテーピングや簡易的な装具を使用。
- 手首や前腕など、指への負担を軽減する関連部位の軽度のマッサージ。
【慢性期(痛みが落ち着き、機能改善を目指す時期)】
- 目的: 関節機能の維持・改善、指の柔軟性向上、日常生活動作の改善
- 治療頻度: 週に1~2回
- 内容:
- 徒手療法(指関節のモビライゼーション、手や腕の筋肉の緩和、関節矯正)で、関節の動きと筋肉の柔軟性を改善。
- 温熱療法、電気治療などで血行促進と組織の柔軟性向上。
- 自宅でできる指のストレッチや体操の指導と、その実施状況の確認。
- 指への負担を減らす生活動作のアドバイス。
【維持期(症状が安定し、予防とセルフケアが中心の時期)】
- 目的: 良好な状態の維持、症状の悪化予防
- 治療頻度: 月に1回程度、または必要に応じて
- 内容:
- 定期的な体のメンテナンス(手や腕、首、肩など関連部位のマッサージや調整)。
- 自宅でのセルフケア(指の体操、ストレッチ、温めなど)の継続。
- 日常生活での指の使い方や負担の確認、必要に応じたアドバイス。
まとめ
へバーデン結節やブシャール結節は、一度発症すると完治は難しいですが、適切な治療とセルフケアによって、痛みや腫れをコントロールし、指の機能を維持・改善し、日常生活の質を高めることができます。
指の痛みや変形でお悩みでしたら、我慢せずに早めに整骨院にご相談ください。あなたの症状と生活習慣に合わせた最適な治療計画を立て、快適な指の動きを取り戻すお手伝いをいたします。
日常生活での工夫も取り入れながら、症状と上手に付き合っていきましょう。
