足首をグキッ!その痛み、足関節捻挫かも?知っておきたい解剖と応急処置、そして整骨院での治療
日常生活でふとした瞬間に「グキッ!」と足首をひねってしまった経験はありませんか?その痛み、もしかしたら「足関節捻挫」かもしれません。今回は、足関節捻挫の正体と、いざという時のための応急処置、そして整骨院で受けられる治療についてお話しします。
足関節捻挫ってどんなケガ?〜解剖学的な視点から〜
足関節捻挫とは、足首の関節を構成する靭帯が損傷する状態を指します。足首は、脛骨(けいこつ)、腓骨(ひこつ)、距骨(きょこつ)という3つの骨から成り立っており、これらの骨を強固に繋ぎ留めているのが「靭帯」です。
足関節には多くの靭帯がありますが、特に捻挫で損傷しやすいのは、足首の外側にある「前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)」、「踵腓靭帯(しょうひじんたい)」、「後距腓靭帯(こうきょひじんたい)」の3つからなる「外側側副靭帯(がいそくそくふくじんたい)」です。足首を内側にひねる(内反捻挫)ことで、これらの靭帯が過度に引き伸ばされたり、部分的に断裂したり、ひどい場合には完全に断裂してしまうこともあります。捻挫の程度は、靭帯の損傷度合いによってI度(軽度)、II度(中等度)、III度(重度)に分類されます。
どんな時に起こりやすい?〜好発状況〜
足関節捻挫は、以下のような状況で起こりやすいと言われています。
- スポーツ中:ジャンプの着地失敗、急な方向転換、相手との接触など、バスケットボール、サッカー、バレーボールなどで頻繁に見られます。
- 段差や不安定な場所での歩行:道に石があったり、でこぼこした場所を歩いている時につまずいたり、バランスを崩したりした際。
- ヒールの高い靴を履いている時:足首が不安定になりやすく、ひねりやすい。
- 階段の昇降時:踏み外しや、着地の失敗。
- 疲労が蓄積している時:筋肉の反応が鈍くなり、足首が不安定になりやすい。
特に、一度捻挫をしてしまうと靭帯が緩み、再発しやすい傾向がありますので注意が必要です。
もしもの時に!自宅でできる応急処置「RICE処置」
足首をひねってしまったら、すぐに以下の「RICE処置」を行いましょう。これは、捻挫だけでなく、スポーツでの急性外傷の基本的な応急処置です。
- R (Rest:安静):無理に動かさず、安静にすることが最も重要です。患部を動かすと炎症が悪化したり、損傷を広げたりする可能性があります。
- I (Ice:冷却):ビニール袋に氷と少量の水を入れたものなどをタオルで包み、患部を15〜20分程度冷やします。これを1日に数回繰り返すことで、炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。冷やしすぎには注意し、凍傷にならないようにしましょう。
- C (Compression:圧迫):弾性包帯やテーピングなどで、患部を軽く圧迫します。これにより、腫れを最小限に抑えることができます。ただし、締め付けすぎると血行が悪くなるので、指先の色やしびれがないかを確認しながら行いましょう。
- E (Elevation:挙上):患部を心臓より高い位置に保ちます。座っている時や寝ている時も、クッションなどを使って足首を高くすることで、重力によって腫れが下に溜まるのを防ぎます。
これらの応急処置は、あくまで医療機関を受診するまでの応急的なものです。**痛みがひどい場合や、腫れが引かない場合は、必ず整形外科または整骨院を受診しましょう。**骨折の可能性も考慮し、X線検査などが必要になる場合があります。
整骨院でできる足関節捻挫の治療内容と治療計画
整骨院では、足関節捻挫の症状や損傷の程度に合わせて、様々な治療を行います。
1.初期(急性期)の治療
炎症や痛みが強い急性期には、主に以下の処置を行います。
- アイシング・電気治療:炎症や痛みを抑えるために、患部を冷やしたり、低周波などの電気治療を行ったりします。
- 固定・安静指導:必要に応じてテーピングや包帯、サポーターなどを用いて患部を固定し、靭帯の回復を促します。日常生活での注意点や、患部を安静に保つ方法について指導します。
- 損傷状態の評価:問診や触診、徒手検査などを用いて、靭帯の損傷程度や腫れの有無などを確認し、治療計画の立案に役立てます。
2.回復期・慢性期の治療
炎症が治まり、痛みが軽減してきた回復期や、痛みが長引く慢性期には、主に以下の治療を行います。
- 手技療法(マッサージ、ストレッチなど):炎症が引いてきたら、足関節周囲の筋肉の緊張を和らげたり、血行を促進したりする目的で、手技による治療を行います。これにより、関節の動きを改善し、拘縮(こうしゅく:関節が硬くなること)を防ぎます。また、固定期間で関節が硬くなったり、捻挫した時に、骨と骨の関節位置がズレてしまうため、カイロプラクティックで矯正・調整します。
- 運動療法・リハビリテーション:足関節の可動域を改善する運動、筋力低下を防ぐための運動、そして足首の安定性を高めるためのバランストレーニング(固有受容感覚の再教育)などを段階的に行います。これにより、再発予防にも繋がります。
- 物理療法:温熱療法や超音波療法などを併用し、血行促進や組織の回復を促すこともあります。
3.治療計画の目安
治療期間は、捻挫の重症度や回復力によって異なりますが、一般的な目安としては以下のようになります。
- 軽度(I度)の捻挫:数日〜2週間程度。痛みや腫れが比較的早く引くことが多いです。
- 中等度(II度)の捻挫:2週間〜1ヶ月程度。靭帯の部分断裂があり、回復に時間がかかります。
- 重度(III度)の捻挫:1ヶ月〜数ヶ月。靭帯の完全断裂の場合もあり、手術が必要になることもあります。この場合、整骨院では術後のリハビリテーションを中心にサポートします。
整骨院では、患者さんの症状や生活スタイルに合わせて、オーダーメイドの治療計画を立てます。早期に適切な処置と治療を受けることで、痛みの軽減はもちろん、競技復帰や日常生活への早期復帰、そして再発予防に努めます。
足首をひねってしまったら、「たかが捻挫」と軽視せず、医療機関にご相談ください。適切な治療で、健康な足を取り戻しましょう!
