スポーツをされているお子さんや自身が運動時にすねの痛みを感じたり訴えたりした経験はないでしょうか?
そんな中には「シンスプリント」と呼ばれる疾患があります。
日本語名は「脛骨過労性骨膜炎(けいこつかろうせいこつまくえん)」と言います。
文字通り「過労性=オーバーユース=使い過ぎ」ということになります。使い過ぎによって骨膜に炎症を起こして痛みが出る状態です。
痛みの場所は脛骨内側の下方1/3に痛みが発症することが多いです。
走ったりジャンプが多いスポーツに多くサッカー、バスケットボール、マラソン、陸上競技に診られる疾患です。
オーバーユース以外の原因
1.偏平足
2.コンクリートやアスファルト、体育館など、硬い床面での運動が多い
3.クッション性の少ないシューズでのスポーツ活動。スパイクなど
*オーバーユース以外の原因はすべて足に掛かる衝撃が大きくなる要因です。床面から受ける反発力が脛や筋肉に負担を掛けてしまいます。
「シンスプリント」は場合に程度よっては運動やスポーツを中止しなければならないこともあり、進行すると危険なケースもあることをご理解頂きたいです。
シンスプリントの程度を知ろう!!
軽度:運動をしていると痛みが出てくる。
中等度:運動開始時に痛みがあり、一度治まるが運動の最後にも痛みが出る。
重度(危険!!):日常でも歩行時などに痛みがあり、運動時にはひどくなる。
*重度に当てはまる場合は即運動を中止してください!!
中等度でも運動を制限する必要性がある場合があります。
「シンスプリント」が進行すると「脛骨疲労骨折」になることもあります。重度の症状の方はすでに疲労骨折になっている可能性がありますので特に注意が必要です。更に疲労骨折が進行すると完全骨折になりスポーツ復帰まではかなりの時間が必要になってしまいます。
程度別のアドバイス
軽度:下半身のストレッチやマッサージを念入りに行う。特にふくらはぎや足裏のケアが大切です。運動量も痛みが増してきていなければ様子をみながら続けても構わないです。
中等度:痛みの部分のアイシングを行ってください。普段の履物も含めクッション性の低い靴は避けるようにし、更にシューズにはインソールを入れるなどもおすすめです。運動もダッシュやジャンプなどの強度の高いものは量を減らすまたは中止するなどして負担を減らす必要があります。
重度:すぐに運動は中止し、日常の痛みが軽減するまでは一日2~3回、一回当たり10~15分アイシングを行い、すぐに医療機関を受診しましょう。
スポーツを行っていれば比較的遭遇する珍しくない疾患です。しかし、知識がなく安易な考えでいると長期間スポーツが出来なくなることもあります。軽度の症状であっても整骨院などに受診し施術やアドバイスを受けるようにしてください。整形外科などではレントゲンチェックなどで骨折の有無を調べてもらえます。症状が良くならなければ病院や整骨院を変える等、しっかり診てもらえる医療機関を探すことも重要です。我々もシンスプリントでお困りの方の手助けになれればと思っております。
柔道整復師 安達 真広