今回は特にスポーツを盛んにされている小・中学生に多いオスグッド・シュラッター病について取り上げたいと思います。
発育期である10~15才頃に発症する膝に痛みが出る疾患です。
女子より男子に多く見られます。
膝のお皿の下を押して痛たみがあればほとんどオスグッド病と言っていいぐらい多くみられます。
オスグッド病は成長期にしかなりません。逆にオスグッド病になっていても成長期を過ぎると自然に痛みは治まります。
しかし!
運動能力が著しく成長する9~12才頃はゴールデンエイジとも言われますが、その時期にオスグッド病を発症してしまうと、とても大事な時期にスポーツを休ませないといけなくなります。
そこでオスグッド病の予防と付き合い方をお伝えしますので是非ご参考ください。
原因
太ももの前にある体の中でも大きい筋肉の一つである「大腿四頭筋」が脛(すね)の骨に付いて膝を動かしますが、成長期は大腿四頭筋が付く脛の骨の部分が成長するための軟骨であり大人のような完全な骨になっていません。軟骨は弱く大腿四頭筋のような強い筋肉に引っ張られると耐えられず剥がれて傷ついてしまうのが「オスグッド・シュラッター病」です。
起こりやすい原因
1.身長が短期間に一気に伸びたとき
骨の成長が早く大腿四頭筋が引っ張られることによって起こる。
2.X脚などの内股傾向
X脚になることで大腿四頭筋の内側が引っ張られやすくなる。
3.筋肉が緊張状態のままになっている
ストレッチ不足やオーバーユースにより疲れが取り切れない状態。大腿四頭筋が緊張し軟骨を引っ張る力が強まる。
予防策
当たり前かもしれませんが、大腿四頭筋のストレッチを普段から行い、練習前後は必ず行う。足の疲労感が取れなくなったら練習を休むことも考える。睡眠不足は疲労回復の妨げになるので規則正しく同じ時刻に7~8時間寝る。(寝る時間は多くても少なくてもダメ)
オスグッド病になってしまったら
1.まず、当院を受診する。または掛かり付けの整形外科を受診する。(信頼出来るところに行ってください)
2.患部を冷やす。(氷水で15分程度冷やす。目安は冷たさを感じなくなるまで冷やす。痛みや患部の熱感が治まるまでの期間は一日1回以上行う。)
3.安静にする。(基本的には運動は控えてください。)
4.痛みが低下したら予防策に移りストレッチをマメに行うようにする。*ストレッチは痛みが出すぎないように注意してください。
最後に
オスグッド・シュラッター病はひどくなると膝が曲げれなくなり、走ることもできなくなります。原因を突き止めずに放置すると長期間スポーツ活動が出来なり大事な期間を台無しにしてしまいます。痛みに耐えれても全力でプレーが出来ていない時点で良くないのはお分かりになると思います。よって「早期発見・早期治療」が大原則です。痛みに気づいたらすぐに行動してください。